「次世代交通で移動が変わる」と題し、多様化する移動について、参加者みなさんの活発で前向きな意見も交えながら、パネリストのみなさんに語っていただきました。
道路は市民の共有財産ですが、今あまりにもクルマや観光客優先になっていないでしょうか。自転車や歩行者、地元に住む人がイニシアティブをとることで、本当の意味でクルマや観光客と共存が可能になるのではないか、それぞれの具体的な取り組みに根ざして話し合われました。弱い人に合わせる、ゆっくりなものに合わせる、そんな都市空間を目指していきたいです。
約50名の参加者からもたくさんの質問や意見が寄せられ、充実した時間となりました。
■パネリストの発表
清水貴司さん(株式会社ドコモ・バイクシェア):奈良でも広がるシェアサイクルについて
吉岡正樹さん(株式会社建設技術研究所):次世代型パーソナルモビリティ(奈良公園観光の移動支援)の実証実験について
望月真一さん(一般社団法人カーフリーデージャパン):世界の次世代交通や持続可能なモビリティの取り組みについて
仲川げん奈良市長:奈良市での地域や市民などさまざまな取り組みについ
それぞれの立場から発表がありました。
■パネルトーク
①過去のモビリティウィーク&カーフリーデーならで実施した オープンワークショップで出た意見へのコメント・提案
② これからの社会(カーボンニュートラル、超高齢化社会、持続可能なまちづくり、観光振興、with/afterコロナ等)における奈良でのモビリティの未来について
2018年・2019年のイベント開催時にオープンワークショップ「あなたの住みたい“奈良”を描こう」というテーマで来場者みなさまと意見を出し合ったまとめです。
- 「車より人優先のまちづくりを」
- 「自転車が走りやすい環境整備と利用者のマナーアップを」
- 「細い道(ならまちなど)は、歩行者専用&自転車専用に」
- 「県庁より東、ならまち、三条通りなど人優先区域は自動車進入禁止に」
- 「シェアサイクル、コミュニティバスなど多様な移動手段を活用」
これらを基にパネリストから貴重なご意見をいただきました。 参加者みなさんからも貴重な質問や提案が活発に出ました。
- 最寄駅から名所旧跡への歩いた場合・自転車の場合のルートや所要時間、途中の見どころなど(お店、史跡など)を地図にして各最寄り駅の案内所で配布提供するとよいのでは
- カーフリーデーのイベントだけにせず毎日の行動として広める方法を考えるとよい
- 自転車のマナーアップと、自転車が走りやすい環境整備を強く望みます。これを徹底的に進めれば、全国から自転車でお客さんが来てくれるのでは。
- 環境負荷をかけない道路整備や、バスや電車に自転車を乗せるなど海外の先進事例に学ぶ
- 公共交通よりもマイカーを使う大きな理由としてコストが安いことがあげられる。定額の税を燃料税に転換する、駐車場代を上げる等、公共交通を使う方がお得(コストも利便性も)になるようにルールを変える必要があるのでは。
- 交通事故を減らすために車の時速30km制限のエリアを拡大する「ゾーン30」をもっと広げるとよい。https://www.police.pref.nara.jp/0000001009.html
■参加者の感想(一部)
- 「シェアサイクルや新しいモビリティの取り組みが分かった」
- 「奈良市も取り組んでいることが分かった」
- 「世界の都市での住民との合意形成の手法が勉強になった」
- 「最新の取り組み情報や奈良市長の考えなど、ハードからソフト面まで幅広い情報が得られ大変有意義でした」
- 「コストや利便性において、公共交通等がマイカーを上回り、利用者が自発的に公共交通等を利用するようにするため、税制や法律等、様々なしくみを変える必要があるのでは」
- 「『交通』と聞くと取っつきにくいイメージですが、このシンポジウムは市民に分かりやすく、先進事例やパネリストの生の声などが聞けてとてもよかった」
- 「過去のカーフリーデーで出た市民の声も活かされており、チャットで参加者がいろんなアイデアを出されていたのも、市民が一緒にまちづくりを考えている感があってよかった」